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島根県の隠岐の島「海士町」発信の『週刊amana』で受けたインタビューを読み返している。http://www.ama-sns.net/amana/index.php

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『週刊amana』インタビュー  生きる密度<02>

“人はつくるんじゃねぇ、育むんだ。”

結局ね、一番大切なのはひとなんだ。
僕ね。社員研修の講演で必ず言うことがあるの。

「入社おめでとう。あなた方には、すぐ使える権利が1つだけあります。
その権利は2年間だけ有効な権利をもってる」

なんだと思う?

これね、失敗する権利。

失敗していいのは2年間なんだよ。 どんどん失敗して、
どんどん先輩に聞けっていうわけ。僕はそれをあおるの。

今の若者って失敗したらなんか言われるって皆臆病になってる。
いい子になろうとしてる。でもね、イチローだって4割しか成功しない。
3割は成功、2割なんてざら。

失敗してでもやってみさせること。
そうやって若い人の潜在力を引き出さないと、
本当にいいもの、そのひとがもってる能力がでてこないんだよ。
そこが大事で、それってまちづくりでも何でも一緒。

その地域地域の特性にあわせて。その人たちがもってるわけじゃん
すばしっこかったり、手先が器用だったり、我慢強かったり。いろんな面を。

全部均一じゃないから面白い。みんなの名前と顔が違うように。
みんな持ってる能力は違う。

“吸収する根っこ”

海士の魅力は、やっぱり若いひとがいて、それを受け入れる大人だよ。
IターンでもUターンでも若者が多いってのは吸収する若い根っこが
たくさんいるってことだ。

なぜなら、君たちは満たされてないから。物欲なんて満たせないからね。
都会に行くのは皆そっちに逃げてるんだよ。
吸収したがっている若い根っこがいるってのは元気だわな。

お金じゃないモチベーションで来てる若者が多く来てるんだよな。
それは、面白いよ。

で、そういった若者がどこに集まるか。
それは、ミッションを持った人間。

ビジョンなら全国どこの自治体、企業だって持ってる。
ビジョンは責任感からいくらでも創れるから。

けど、使命感とも言えるミッションを持つ自治体はほとんどない。
要はね、「覚悟があるかどうか」
最後の一人になってでもやり遂げる。
そんな使命感をもっていなきゃ何もできないんだよ。

アジアやアフリカの子どもが明日生きるために必死で水を汲むのと
同じように、使命感をもって全力で生きることは、
生きる密度をあげるってことなんだよ。

“「ない」という価値。”

この海士には、日本人が忘れているものがある。
それは「ない」という価値。
それは吸収する根っこを集め、強い原動力になる。

そして、今の日本人ってのは旅の仕方を知らない。
皆何分にバスに乗って、何分だけあれを見てっていう
ひたすら早いパッケージの観光しかできない。
彼らは日々の生活もそう。
「何かをしている」 毎日に皆疲れ始めてる。

この島ではそんな人たちを集めて、
「ない」時間を味わってもらうだけでファンを創れるはずだよ。
この島にはその可能性がある。

もう一つ、こうした戦略を練るときに必要なのは、
企画書じゃない。設計図なんだ。そこが一番大切。
こうしたい、ああしたい、こうなるだろう。
そんな企画書は誰だって書ける。

でも、家の設計図がそうだったら困るわけで。
何かしたいと思ったときには、何度もシュミレーションをして、
「組み立てる」

そうすることで、したいことの実現可能性は高く出来るんだ。

(おわり)
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○矢継ぎ早に繰り広げられる、東山さんのお話はあっという間に
  時間切れとなってしまいました。

  しかし、僕がこの島に求めていたもの。かっこいいと思ったもの。
  それは、自分では言葉にならなかったけども今回のインタビューで
  はっきりとしたように思うんです 。

  覚悟を持った大人に。
  そして、当たり前の価値があるこの島に。

  自分は憧れて、この島にやってきたのでした。
  東山さん、ありがとうございましたっ。

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